続 ・ ドラッカー博士の教え 〔第608回〕

 「顧客は誰なのか」 「何を求めているのか」 「そのためにどうすればいいのか」 「チームとして何ができるのか」など、設計事務所でも常に問うようになればすばらしいことです。

前回に続き 「経営者の条件」 を学び、これを 「建築家・設計者の条件」 と置き換えてみますが、前出の中村邦夫さんの 「肝に銘じる5つの言葉」 に共通します。これを 「建築家・設計者の身に付けておくべき5つの習慣的能力」 として説明してみます。

第一が、時間を管理することである。 * 建築主〔事業主や住み手〕には何時までに完成させたいという予定があります。建築家・設計者には納期があり、工事現場には工期があります。時間内で最善の仕事をするために、時間の管理を工夫する必要があります。
第二が、貢献に焦点を合わせることである。 * 建築設計とは、顧客満足を通して社会貢献することを基本とすることです。
第三が、強みを基盤とすることである。 * 個々人にもそれぞれ特徴とか強みがありますし、それを伸ばすことです。同時に会社も得意分野を社会にアピールすることです。
第四が、重要なことに集中することである。 * 仕事には序列があります。選択したら集中して仕事をすることです。バタバタしないこと、急ぐこととバタバタの悪循環は最悪です。
第五が、成果を上げるよう意思決定することである。 * 成果とは 「顧客の感動と自らの感動が共存できること」。

このように書いてくると、建築家・設計者もドラッカー哲学から学ぶことは多いと思います。

ドラッカーは、『指揮者に勧められて、客席から演奏を聴いたクラリネット奏者の話を教える。その時彼は初めて音楽を聴いた。その後彼は上手に吹くことを超えて、音楽を創造するするようになった。ドラッカーは 「これが成長だ」 という』。
* この話は、建築家・設計者にも通じます。私は社員に他人の作品を視察しなさいとよく言います。特に内外の優れた作品に触れた時の感動を、より多く体験することが成長につながると私も信じています。

ドラッカーは、現代のような不況時代の 「企業生き残りの術」 を言い当てていますし、遺言のような大切な指針を残しています。
『グローバル経済の下で、企業はどう生き残っていくべきか。競争力をいかに向上させていくべきか。 「その鍵は専門への特化である」 中小であれ大企業であれ、ある特定の分野、市場に精通することだ。これからの時代は 「専門に特化」 することによってプレミアムが得られる』。 と強調しています。

私達がこの20年における会社経営の面舵は、方向として間違っていないと、ドラッカー博士にお墨付きをいただいたようなうれしさがありますが、それにしてもまだまだ道半ばです。

* 記録
「幼保一元」 については、以前から度々私のコラムで書いていますし、前々回 〔第606回〕 でも書きました 「待機児童の解消と制度改正」 についてですが、読売新聞10-04-27の一面に 「子育て施策一元化・政府構想・内閣府に新部局」 の見出しで記事が掲載されていました。これは社会が求める制度改正の大きな波動と受け止め、今後はこの面でも心の通う充分なお手伝いをしたいと願っています。

ありがとうございました。
評価:
P.F.ドラッカー,上田 惇生
ダイヤモンド社
¥ 2,940
(2005-12-02)


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